人日


平成二十三年は辛卯(かのとう)の歳です
旧暦の人日は二月九日です。

丸平文庫の新展示室で
二月一日より「丸平代々の雛人形展」を開催致します。

平成二十二年の重陽の「後の雛」に載せています
五世大木平藏の二番立像のお雛さんを中心に
通算第六回目の展示でございます。

このお雛さんは
丸平文庫でもサイトに写真はのせていますが
展示の公開は初めてです。
二番の立像は男雛の場合、冠の立瓔迄の高さは72センチです。
五世大木平藏が戦前の良き時代に製作致しました
たっぷりと華やかな脱着の丸平独特のお雛さんです。


二番立像


又、お正月の景物として、懸想文賣の御所人形をお目にかけます。


江戸時代のお正月、すなわち一日から十五日の間に
都の家々を訪れる恵方萬歳にみられる門附けのひとつに
懸想文賣があります。
堀川院の頃に名高い懸想文合いわゆる艶書合とは
まったく関係のないもので
この懸想文は恋文等の艶書ではありません。
買い求めた人が女で化粧台や箪笥に懸想文をしまって置くと
良縁に恵まれるとも着物が増えるとも
又物書きには上達すると信じられておりました。

吉川観方氏の解説によりますと
古くは覆面をしたみすぼらしい物乞い姿であったものが
江戸後期宇喜多一尠竄「う大和絵師が
立烏帽子に水干、という風流な装束にやつして売りに出
それ以来この立烏帽子に水干、括袴、覆面、藁履の装束が
懸想文売の決まり事になっていったようです。

江馬務氏によると
懸想文賣は松原橋東弓矢町に住まう弦売の一族でもある
犬神人
(つるめそ)の一族の正月の内職で、寛文頃より始まったとの事です。


江馬務氏による懸想文賣扮装の再現


吉川観方氏蔵の嘉永四年辛亥年の懸想文です。

久方の雲井に立霞の光天の戸の明け行くや
神世の春と鳥が鳴く東より来る走り亥の
年ゆたかなる大御代の恵みに
逢坂の関の清水にうつる面影若返り鶴亀の年齢延る
御寿は千歳八千歳九重の大宮所の御簾の外にもる梅が香の
にほひは四方にみちみちて民草迄もなびきしたがう青柳の
いとめづらかに鶯のももよろこびの声
のどけさの筆とりてまゐらせ侍る。
この花の都の美春いろも香も祝ふ心は神ぞ知るらんと
思ひ出るや門の松竹まちまちにゆきおもしろく
きのふふりけふ春風に谷川の氷もうち解けて
姫子松初音の遊びとく告げさせたまへ   
                   かしこ

うれしさはかのとし祝ふねの日とて
ふすゐのとこも契る初春
むつまし月けふますら雄より
年よげに見ゆる御方へ参らする


この懸想文は京都聖護院円頓美町の須賀神社で
新暦の節分二日、三日に古式の扮装姿の懸想文賣から
求めることができます。

▲節句 上巳 

(平成二十三年度)


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