人日

平成二十年は戊子(つちのえね)の歳
旧暦の「人日」は二月十三日です。

「人日」の正月七日や正月初子の日
(平成二十年は二月十八日が初子の戊子の日)
に天皇に若菜を献上した行事を若菜節会
(わかなのせちえ)
称しますがこれは宮中における正月の行事の一つです。

平安時代 貴族達が正月の初めの子の日
野外で小松を曳き、若菜を摘んで
和歌を詠んで遊んだことはよく知られています。
「小右記」等公卿の日記だけではなく
「源氏物語」等の女房文学の中にも「子日の遊び」は
様々に記述されています。
つまり公の儀式以外、私的に楽しまれた行事だった様です。

「源氏物語」、「初音」の巻には紫上の春の御殿に
「今日は、子の日なりけり、げに、千歳の春をかけて祝はむに
ことわりなる日なり。ひめ君の御方に、わたり給へれば
わらは、下仕へなど、お前の山の小松、ひき遊ぶ」
と小松引く女童の様子を。
松をかけ言葉に
明石の姫君 ・・・年月をまつに引かれてふる人にけふうぐいすの初音きかせよ
明石の上・・・ ひきわかれ年はふれども鶯の巣立ちし松の根をわすれめや
等明石の姫君と明石上の贈答歌が
貴族の私邸の初春の様子を伝えています。

また「若菜上」の巻に玉蔓が四十賀を迎える源氏に若菜を献上する場面
「正月二十三日、子の日なるに左大将殿の北の方、若菜まゐりたまふ」
「―人よりことに数へとりたまひける今日の子の日こそ
なほうれたけれ。しばしは老を忘れてもはべるべきを―と聞こえたまふ。
尚侍の君も、いとよくねびまさり、ものものしき気さへ添ひて
見るかひあるさましたまへり。
玉蔓・・・若葉さす野べの小松をひきつれてもとの岩根をいのるけふかな―
とせめておとなび聞こえたまふ。
沈の折敷四つして、御若菜さまばかりまゐれり。御土器とりたまひて
源氏・・・小松原末のよはひに引かれてや野べの若菜も年をつむべき
この子の日に供じられる若菜は七種とは限らなかったようです。

平成十九年春、三井記念美術館に展示致しました
丸平文庫の京人形から 「小松引きに興じる公達」
「小松引きの返歌を詠む女房」をお目にかけます。
あわせて十二支筆頭の子歳に因み「子乗小槌持御所」をお目にかけます。




小松引きに興じる公達
小松引きに興じる公達
小松引きの返歌を詠む女房
小松引きの返歌を詠む女房
子乗小槌持御所
子乗小槌持御所
  ▲節句 上巳   ▲節句 端午 ▲節句 七夕  ▲節句 重陽

  (平成二十年度)



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